小学館編集部が芦原妃名子先生の件で声明を発表、賛否両論渦巻くも……

小学館

ドラマ化された「セクシー田中さん」の原作者、芦原妃名子さん。非常に痛ましい出来事で、今でも胸につかえたものがそのままになっているような気持ちです。あれから10日が経ち、ようやく小学館や編集部からの声明が発表されました。非常に難しい決断を迫られたのは事実だとは思いますが、非常に考えさせられる内容でした。

「小学館 第一コミック局」が声明を発表

小学館本体ではなく、コミック局の編集者たちが声明を発表。編集者がこういったことで声を上げるのは非常に稀で、筆者も記憶にありません。それだけ風当たりが強くなっているということでもありますし、このままではいけないと声を上げたのでしょう。

筆者の感想ですが、非常に練られたものであると同時にかなり深く踏み込んだものだと感じました。

今回、その当然守られてしかるべき原作者の権利を主張された芦原先生が非業の死を遂げられました。

私たちが声を挙げるのが遅かったため、多くのご心配をおかけし申し訳ありませんでした。

「申し訳ございません」との謝罪も、おそらく関係者では初めてだったのではないでしょうか。丁寧な文章と内容、相当の覚悟と苦悩がにじみ出ています。

というのも……小学館自体がほぼだんまりを決め込む中、編集部の独断でこういった文章を出すことって命がけといっても過言ではありません。筆者もとある出版社に勤務していたことがありますが、その会社でしたら即日首が飛ぶレベルの行動です。大手でこれをやるのは、異例中の異例といって間違いないでしょう。

世の中は賛否両論……

筆者の目では十分だと思った内容ですが、世間的にはそう映らない方も多かったようです。

・なんか読んでて腹立つ文章なんだよなと思って考えてた。
・最後のエモさでうやむやになってるけど結局編集部何してたのって話じゃん
・御涙頂戴の文章で先生の命も名誉も戻ってきません。命を軽視しないで。
・小学館としては大きな声明を出さないことで日テレを立てつつ、編集部は作家の味方だとして溜飲を下げさせる見事なダブスタ謝罪だなと思った

ただ、編集部に寄り添う声も多く見受けられました。まさに世論は真っ二つといったところです。

・小学館内で覚悟を決めた組織の中の芦原先生に寄り添い続けた現場編集者の皆さま
小学館 第一コミック局編集者の皆さんに敬意を表します。この声明発表を支持します。
・第一コミック局のコメント全て読みました。現時点でこれが精一杯のコメントだと感じます。
・現場の方は、一生懸命されている方がほとんどだろうことは作家の皆さんのポストで感じています

もちろん考え方は人それぞれですが、筆者としては小学館の社員である編集者が(おそらく)独断でこの文章を出してきたところは、評価すべきだと考えます。過度なクレームを芦原先生が望んでいるとは思えません。また、多くの漫画家の方は賛同しているということにも触れておきます。

失われた命は戻ってきませんが、二度とこういった悲劇を繰り返さないために誹謗中傷はやめるべきだと考えます。ただし、小学館はとにかく対応が後手後手なので、迅速に声明文を出すべきだったのではないでしょうか。

source:小学館