ガラス管を使用した「ガラス細工作品」が繊細で圧巻の美しさ!制作者に話を聞いた

image:Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)

ガラス細工は、透過性があるため澄んだ透明感のある美しい見た目も魅力ですよね。また、光を通すので見る角度によって雰囲気が変わり趣も感じられます。そんなガラス細工ですが、Twitterにて、Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)さんがご投稿した圧巻の「ガラス細工作品」が見るものの熱視線を集めています。制作過程が気になるほど手が込んでいて、制作者のこだわりが詰まった、圧倒的存在感を放っているのです。

繊細で美しいガラス細工に魅了

美しいガラス細工作品の数々が掲載されたツイートを発見しました!ガラスなので、透明感と造形美、可憐な印象に心惹かれる作品ですね。

花、金魚、食べ物などジャンル問わずに制作されているので、驚きや発見があり、見ていてワクワクしますね。今回は制作者さんに制作秘話を伺いました。

制作者さんインタビュー

image:Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)

制作者のUtsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)さんにお話を伺いました。

■プロフィールを教えてください

ーー日本宝飾クラフト学院を卒業後、ジュエリーデザイナーのアトリエで、花をモチーフにしたハイジュエリーの制作を6年程経験した後、ガラス加工に興味を持ち現在の理化学ガラス製造会社に転職しました。 仕事でのガラスの加工歴は22年です。 その間に草月流生花を習い、4級師範を取得しました。

■作品作りを始めたきっかけは?

ーー作品を作るきっかけは、7年前に勤めている会社で年に一回出展している、科学機器の展示会のブースでデモストレーションを兼ねて主に3種類のガラスオブジェ、ブーツ、ランプ、バイオリンのガラス細工の実演を担当社員が交互に行うのですが、そこでオリジナルの物を作りたいと思い、小さな花のシリーズを作ったところ、ブースを訪れた方々に好評だったので、ガラスの限界でどこまで精巧に作れるかチャレンジを続けて現在に至っています。

image:Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)

■上記のバラの作品はどのように作られているのでしょうか?

ーー材質は実験器具(フラスコや試験管など)に使われている耐熱ガラスのパイプとムク棒です。 吹きガラスのように大掛かりな設備ではなく、卓上の酸素バーナーを使って作業します。バラの制作手順は、まずガラス管を丸く膨らませてそこから花弁になるパーツを切り出します。

15枚ほど大きさの違う花弁を作り、中心から一枚ずつ繋いで花を組み立てます。その後、花の大きさに合わせて茎と葉を作り、それらを繋いで加工は終わりです。

■バラの作品作りでこだわった点は?

ーー特に表面のテクスチャーです。透明な薄いガラスなので、ただ形を作っただけではツルツルしたビニールのように見えてしまうので花弁と葉にはしっかりとテクスチャーを施しています。これによって光が乱反射して、ガラス特有の質感と輝きを持ったバラになります。

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■使用道具は?

ーーガラスを溶かすバーナーの他、主にピンセットとペーパーナイフそれにプライヤーを改良した自作の治具ですね。ー制作時間は延べ60時間程です。半分以上は各工程での試作などが占めています。

image:Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)

■バラの作品作りで難しかったところは?また、注目して欲しいポイントは?

ーーガラス細工は色々と制約が多い素材なので、本物と同じように作ると強度不足で割れてしまうので、何度も試作を重ねてギリギリの強度でどこまでバラらしく見えるかが特に苦労しました。注目して欲しいポイントは、普段見慣れているガラスとはまた違う、触ると壊れてしまいそうな儚さを見ていただきたいです。

image:Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)

■ガラスの魅力は何だと思われますか?

ーー私が使うのは基本、透明ガラスなので反射した光の輝きがとても美しく、光源によってはしっとりとした氷のようにもキラキラした結晶のようにも見えるところが魅力です。

image:Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass)

■いいねやRTされるなど反響がありますが、今のお気持ちは?

ーー投稿の反響が大きいのはとても嬉しい反面、次はそれ以上の物を作らないといけないというプレッシャーがあります。 そのため私は投稿を見ていただいている方々支えられてここまで作れるようになったと思います。

インタビューの最後に今後の夢や制作したい作品は?とお伺いしたところ、「 やはり実物を見ていただきたいので機会があれば展示をしてみたいです。 この後もまだまだ作り足りない花も沢山ありますが、いずれは人物の胸像などもチャレンジしたいと思っています。」と語られていたUtsusemi_Glass Sculptureさん。

今後もアッと驚かされるような素晴らしい作品がUtsusemi_Glass Sculptureさんの手によって世に出て、作品を愛でられることを心待ちにしています。

美しいといえば、ある生き物が美しく変身を遂げていく姿に感動しますよ!

取材協力:Utsusemi_Glass Sculpture(@UtsusemiGlass