「霊感は大脳皮質の感覚野が生み出す錯覚である」 スイスの研究チームが発表した仮説が話題に

 

誰もいないはずなのに近くに誰かがいるような気がしてならない…。そんな不気味な感覚を味わったことがないだろうか。
イギリスの探検家フランク・スマイス氏はエベレストの登山中、得体の知れない存在に付きまとわれる感覚を味わい、自分のケーキを不可視の相手に分け与えようとしてしまったことを告白している。こうした霊的な知覚現象は"FoP(Feeling of presence)"と呼ばれ、海外でも古来から畏怖の対象とされてきた。
しかし、スイスの神経学者チームが先日発表した研究結果によると、FoPは大脳皮質の感覚異常がもたらす錯覚現象として説明がつくという。この新説に対して、オカルトの肯定派と否定派の間で議論が巻き起こっている。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校で神経科学を研究しているオラフ氏のグループは、人体の神経メカニズムとFoPとの関係を調べるためにとある実験を行った。実験で使用するのは、主従のリンクが施されている一対のロボットアームだ。一方のロボットアームを動かすと、もう一方のロボットアームがそれと全く同じ動きを示す仕様になっている。

目隠しした被験者がロボットアームを操作すると、背後に置かれたロボットアームが被験者の背中に触れる。被験者はロボットアームを通じて自分の背中を自由に刺激することができる状態だ。

ここで、両ロボットアームのリンクを500ミリ秒遅延させると、興味深い現象が起き始めた。自分の手とロボットアームの同期が乱れたことで、被験者はまるで他人に自分の背中を触られているような奇妙な感覚を味わい始めた。そして、実に30%近くもの被験者が実験中にFoPを体感する結果となった。

統合失調症に代表される脳疾患患者がしばしばFoPをうったえるのは、感覚をつかさどる大脳の頭頂葉の働きが乱れているからだと考えられている。外部からの刺激と脳の内部で処理される情報の間にズレが生じると、人間の脳はありもしない幻覚を現実のものと思い込んでしまう。それが、存在しない人間を意識してしまうFoPというわけだ。

登山者がFoPを体験しやすいのは、低酸素濃度の悪環境と極度の疲労が脳の活動を低下させてしまうからだと研究チームは推測している。つまり、脳が正常に機能していないと、健常者であってもFoPに陥る可能性があるのだ。FoPは、十分な休息を欲している脳からのSOSとも言えるだろう。

幽霊は我々の脳が生み出す錯覚に過ぎないのだろうか?どう判断するかは貴方次第である。

―海外の反応

・よく分からないんだけど、こんなロボットアームの実験で何を調べてるの?
・タイムラグを利用して脳の感覚を意図的に混乱させてるんだよ。自分が操作しているはずのロボットアームがイメージ通りに動かないと、次第に他人に背中を触られているような錯覚に陥ってしまうってことさ。
・脳が「感覚」と「意識」のズレを架空の存在で埋めようとしてるんだな。これこそ超常現象の本質だよ。
・じゃあ、幽霊が存在しないっていう科学的証拠があるのか?これだけの実験で幽霊の存在の有無を決めつけるなんて馬鹿げた話だぜ。
・幽霊が存在するという証拠を示せないなら、いないという事の証明になるじゃないか。
・その考えはおかしいだろ。「この宇宙のどこかに3つの頭を持つユニコーンがいるかも」と言われた時、その説を否定する証拠を示せないだろ。でも、だからと言ってそれがすなわち存在を証明することにはならないだろうが。
・「ラッセルのティーポット」ってやつだな。
・全ての自然現象が解明されたわけじゃないけど、科学的に考えて幽霊が存在する可能性は低いと思うよ。
・幽霊が存在しないということを示す決定的証拠も無ければ、死後の世界を証明する証拠も無い。これがすべてだよ。
・結局どんな幽霊話もせんじ詰めれば幽霊以外のオチが待ってるんだよなぁ…。

掲載元
http://www.reddit.com/2lhtji/

(ライター:sha-la-ku)

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