雪国にしかない冬季限定の謎箱!箱の中身も謎過ぎる件!

この写真は、北海道旭川市のある交差点で撮影したものです。電柱の左下に黒っぽい色の大きな箱が括り付けられています。この箱は雪の降る旭川市で冬期間にのみ見られるもので、市民生活にとっては必要不可欠なものです。大きな道路の交差点でよく見られます。

旭川市にも雪の季節がやってきました。

旭川市の平均的な初雪日は10月23日ですが今年の初雪は11月14日でした。その後、気温の上昇する日があり雪が降っても融けてなくなってしまうという日が続いていました。12月6日からは気温の低い日が続き雪が融けることもなく本格的な雪の季節になりました。いよいよこの箱が必要とされる季節になったということです。この箱にどのような役割があるのでしょうか。

箱を横から見て見ましょう。

雪の中でしっかりと括り付けられた箱があります。右側に見えている郵便ポストと比べると、その大きさがお分かりいただけるでしょうか。箱の側面には黄色い三角形のデザインがあります。このままではよくわかりません。正面から見て見ましょう。

箱の正面です。

上から順番に「空袋入れ」「北海道開発局」「すべりどめ砂」という文字が見えています。「すべりどめ砂」とは一体どのようなものでしょうか。

「すべりどめ砂」と書かれているフタを開けてみましょう。

中にはたくさんの袋が入っています。この袋のなかに入っているのが「すべりどめ砂」です。ひとつの袋を取り出してみましたが、ずっしりと重かったです。この砂は、必要に応じて信号付近の車道や歩道に撒きます。気温が上がると当然のことながら雪が融けます。気温が下がると解けた雪は凍ります。凍ってしまった道路はツルツル路面となり、いくら雪道に慣れていてもツルリと滑ってしまうことがあります。

車道もツルツル路面となり、車もうまく止まることができなくなってしまいます。特に信号付近では、車は止まってまた発進するということを繰り返すために、路面はツルツルになってしまいます。ツルツル路面では車のライトが鏡のように反射します。歩行者も鏡面のように光る氷の上を歩かなければならない時があります。そんな時にこのすべりどめ砂が必要になります。

車道には黒い筋が見えています。

本格的な冬にはまだなっていませんが、道路はすでに危険な状態です。黒い筋のように見えている部分は既に滑りやすくなっています。

黒く見える部分を近くから撮影しました。

近くから撮影すると、黒い部分が凍っているのがわかります。信号が赤になったら車が止まらなければなりませんが、すぐには止まれないことも多々あります。気温の変化によって道路の状態は刻々と変化します。このような部分を歩くときには、歩行者もかなり緊張します。

砂を撒くことが必要な時には、誰でも自由に砂を撒くことができます。空き袋は「空き袋入れ」と書かれたフタ部分の中に入れます。砂がなくなってしまうと、新しい砂を補充してくれます。ツルツル路面は幾分解消されますが、撒かれた砂はその場に堆積することになります。

春になって雪が融けると、車道の縁石付近には大量のすべりどめ砂が姿を現し、車が通るたびに飛び散ります。春先には堆積した砂を回収しながら道路を清掃する様子が見られます。

冬の雪道は危険が一杯です。

交差点付近には、近くで除雪された雪が集められいました。このような雪の山がどんどん大きくなると、この雪山によって視界が遮られてしまい、最悪の場合には交通事故につながることもあります。今はまだまだ冬の序盤です。雪が融けるのは4月の上旬です。それまでは雪とうまく付き合っていくことになります。

雪のある間、特に路面が凍る日は、車を運転する人も道路を歩く人もより一層の注意が必要です。しかし、雪は悪いことばかりではありません。寒い朝にはキラキラと光る美しいダイヤモンドダストを見ることができたり、樹氷でつくられた美しい景色を楽しむこともできます。

樹氷でつくられた美しい景色といえば、北海道の富良野市にある「なまこ山」の景色 もそのひとつに挙げられるでしょう。