エヴァンゲリオンにおける「浄化」についての考察をまとめてみた

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日本テレビ、金曜ロードショーにおいて、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(本編ノーカット)」が1月29日21時からTV初放送されました。しかし、エンディングの桜流しがカットされるという痛恨の対応にファンは落胆と失望。エンディングぐらいいいじゃないかと思うのかもしれませんが、それは大きな誤りで愚かな行為で、最大のテーマの一つである「浄化」にも影響します。今回、この部分を徹底解説しながら「Q」の見所もヱヴァマニアがご紹介していきます。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版Qとは

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qは「シン・ゴジラ」でもおなじみの庵野秀明監督作品です。テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のリメイクものとして、2007年に、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」、2009年に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」、2012年に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q」そして次回作である「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」はシリーズ完結を迎えます。

そんなヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのラストエンディングがテレビ放送ではカットされたのです。これは日本テレビの暴挙とも言えるわけですが、その失望の理由の一つとして「浄化」と言うキーワードが関係してきます。

エヴァマニアにとっての「浄化」とは

今回は、ヱヴァンゲリヲン新劇場版に置いて最大のテーマである「浄化」について考察していきたいと思います。

浄化に関しては、様々な説があり「人類が L.C.L になること」「 L.C.L 化した海を戻すこと」「人類補完計画」などストーリー上では様々な浄化に関するキーワードが出てきます。

しかし、エヴァマニアである筆者の考察にはなりますが、上記説の他にもっと大事なことが有るのではないかと思われます。

それは、この映画を最後まで見たファンの心を完全燃焼させること、つまり「フアンの心の浄化」であると考えます。

庵野秀明はファンを完全燃焼させ、心を浄化させたいと考えていたのではないかということです。

しかしながら今回のテレビ放送でとある暴挙が行われファンを不完全燃焼させております。それは「エンディングのカット」です。ファンが完全燃焼つまり「浄化」するにはエンディングまですべて見て「浄化」と言えます。

浄化できなかったファンが呆然とする

エンディングをカットされ浄化できなかったファンはこの暴挙に怒り狂うを通り越し呆然としております。

このように最後まで見てこそ、今回の映画の真骨頂でありファンが浄化できるわけです。浄化しそこねたファンがネットで大きな不満を言い合うのは言うまでも有りません。

なぜ、日本テレビはファンの浄化をさせなかったのか、その真相は闇に包まれておりますが、補足として今回放送された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」についてのもう少し詳しい補足をくわえておきます。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのキャラクター紹介

ここで、今回の重要な役割を果たすキャラクターと事柄を箇条書きします。
なお、以下はネタバレも大きく含まれるので、まだ見ていないという方は読み飛ばしていただいてOKです。

・碇シンジ 28歳
・アスカ・ラングレー  28歳
・綾波レイ   28歳
・真希波・マリ・イラストリアス 47歳
・渚カヲル 29歳
・葛城ミサト 43歳
・碇ゲンドウ 62歳
・赤城リツコ 44歳
・冬月コウゾウ 74歳

前回紹介した記事からの続編になります

空白の14年間が過ぎ、碇シンジ・渚カヲル・葛城ミサトを主体とするネルフ反組織ヴィレ・人類補完計画完成させたいゼーレ・碇ゲンドウを主体とする新ネルフ、この5つの思惑を整理します。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qにおける目的

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qにおけるそれぞれの目的は

・碇シンジはカシウスの槍とロンギヌスの槍を使い世界を修復する。
・渚カヲルは碇シンジの希望を叶える。
・ネルフ反組織ヴィレはフォースインパクトを起こさせないために碇シンジを暴走を食い止めるために活動。
・ゼーレは、13号機を使い、渚カヲルか碇シンジを使いフォースインパクトを引き起こし人類補完計画を完成したい。
・新ネルフは渚カヲルが、人類補完計画を裏切ることを予測し、ゼーレ主体ではなく13号機を覚醒した上でネブカドネザルの鍵を使いフォースインパクトを起こすこと。

その為、初号機の奪還や碇シンジに使徒呪詛文様が施されたDSSチョーカーを取り付けました。これは、エヴァンゲリオンが覚醒した場合に爆発を引き起こしパイロットを殺害しフォースインパクトを食い止める目的となっています。

※ネルフ反組織ヴィレ所属パイロット(アスカ・ラングレー、真希波・マリ・イラストリアス)

目的に応じた実際のシナリオ

<以下ネタバレあり>

碇シンジと渚カヲルは世界を修復するためにカシウスの槍とロンギヌスの槍をとりに行くのですが、そこにはロンギヌスの槍が2本あるだけでした。

渚カヲルは抜かないように碇シンジを説得しますが、静止を聞かず引き抜きます。渚カヲル「まさか第一使徒の僕が13番目の使徒に堕とされるなんて」という言葉を使います。

ここで出てくるのが裏死海文書です。これをもとに、ゼーレや碇ゲンドウが活動しているからです。そこには、2体の使徒を殲滅することでインパクトが発生できるとされています。

碇ゲンドウとゼーレは渚カヲル(第1使徒→第13使徒)騙すことによろ殺害、第12使徒を殺害することによりフォースインパクトを計画していたことになります。

その証拠として碇ゲンドウとゼーレの会話で

碇ゲンドウ「諦観された神殺しは私が行います」

→第1使徒を第13使徒に落としフォースインパクトを起こしますと考えます。

ゼーレ「人類の補完、安らかな魂の浄化を願う」

→計画通り

碇ゲンドウの思惑通り13号機が覚醒しフォースインパクトが発生します。

渚カヲルが碇シンジから引き継いだDSSチョーカーを爆発させ、渚カヲルが死ぬことで、13号機の覚醒を停止させフォースインパクトを食い止める結果になりました。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||でファンは浄化できるか。

次はいよいよ完結編となる「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」となります。しかし現在コロナの影響で公開が延期されています。

はたして我々ファンにおける「シンのジョウカ」はこのラストを見ることで行われるということになるのでしょうか。

答えは庵野秀明しかわからない。

Souce:スタジオカラー