トリチウムがまさかのゆるキャラ化、酷すぎると炎上の事態に

image:写真AC

未だ多くの課題を抱える福島第一原発の問題。13日、復興庁がゆるキャラのようなイラストを掲載したチラシを発表し、批判を寄せられています。このチラシは福島第一原発の処理水に含まれる、放射性物質トリチウムの安全性をPRするために制作されたとのことです。復興庁によるとトリチウムの安全性をより広く周知するためという目的とのことですが、ネット上では「モラルがない」「無駄なことに税金使うな」等、様々な批判が殺到する事態となっています。

福島第一原発の汚染処理を巡り現在も問題が多く

現在も東京電力福島第一原発から発生が続いている汚染水の処理を巡って様々な問題が起きています。

東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)で発生が続く汚染水を浄化処理した後の水について、政府は13日朝の関係閣僚会議で、原発から福島沖へ海洋放出処分する方針を正式に決定した。

とのことで汚染水の処理方法に関しての方策が決定したようです。

全国漁業協同組合連合会(全漁連)は海洋放出に「絶対反対」の立場を貫いており、政府と東電の思惑通り進むかは不透明だ

引用:東京新聞 福島第一原発の汚染処理水 政府が海洋放出の方針決定 漁業者「絶対反対」の声ある中、2023年にも放出開始

一方で汚染水を海洋に放出することに対して様々な反対意見も出ています。

また、政府や東電が放出のための対応をしっかりと行ってくれるのか、不安に感じる声も出ているようです。

様々な課題がありそうですが、この汚染水の放出作業は早ければ23年にも開始されるとのことです。

復興庁がトリチウムのゆるキャラが登場

そんな中、復興庁がチラシを発表し物議を醸す事態となっています。

復興庁が福島第一原発の処理水に含まれる放射性物質トリチウムの安全性をPRする目的とのことですが、チラシにはトリチウムのゆるキャラのようなキャラクターが描かれているのです。

報道によりますと

チラシは、復興庁のホームページに同じ内容の動画とともに掲載したほか、福島第一原発周辺の市町村などでの配布を検討しているという。

とのことで、このチラシは多くの人の目に入ることとなりそうです。

引用:東京新聞 「トリチウム」がゆるキャラに? 復興庁「親しみやすいように」原発汚染処理水の安全PR

ネット上では批判殺到の事態に

この発表に対してネット上では様々な批判の声が寄せられています。

多く見られる意見としては「キャラクター化することで具体的な説明から逃れようとしている」といった批判です。大半の人は曖昧なPRよりも実際的な説明を求めている、ということなのでしょう。

他には「このキャラクターの制作費にいくらかかっているのか」「税金の使い方が間違っている」等、税金の使用用途として誤っているといった旨の批判です。

トリチウムとは?

ここまで”福島第一原発の処理水に含まれる放射性物質”といった表現で書きましたが、「そもそもトリチウムって何?」という人も少なくないでしょう。

以下のサイトで非常にわかりやすく解説してくれていますのでご紹介します。

トリチウムは「水素の仲間(同位体)」で、放射線を出す放射性物質です。水素の原子核が陽子1個でできているのに対し、トリチウムの原子核は陽子1個と中性子2個から構成されており、「三重水素」とも呼ばれています。

トリチウムという物質については上記の通りのようです。

そして気になる安全性についてですが、同サイトにて以下のように記載されています。

トリチウムの放射能が半分になる期間(半減期)は12.3年です。放射線の一種であるベータ線を出しますが、そのエネルギーは非常に弱く、皮ふの表面で止まります。また、水と同じように新陳代謝などによって排出されるため、人間の体や魚、貝などの海産物に蓄積されることはありません。

引用:日本原子力文化財団 エネ百科 トリチウムとは

サイトに書かれている内容であれば、極めて危険性が高いといったものではないようです。

とはいえ、不安に感じる人が一定数いる以上、漁業に携わる人達の負担軽減や近隣住民の不安解消のためにできる限りの施策を行ってほしいものです。

同じ福島第一原発に関することではこんな問題もありました。

source: 東京新聞 福島第一原発の汚染処理水 政府が海洋放出の方針決定 漁業者「絶対反対」の声ある中、2023年にも放出開始 ,

東京新聞 「トリチウム」がゆるキャラに? 復興庁「親しみやすいように」原発汚染処理水の安全PR,

日本原子力文化財団 エネ百科 トリチウムとは