鬼滅の刃の知られざる聖地、竪破山の太刀割石の先に行ってみたところ、とんでもない事態に

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鬼滅の刃がとんでもないブームを巻き起こしており、地方の山奥やモデルといわれている温泉旅館の予約が取れなくなる事態にまで発展しております。そんな中、筆者の家からほど近い(とはいえ車で1時間強)場所にある「聖地」予備軍ともいえる竪破山に登って太刀割石を拝んで来たのですが、その後でとんでもない事態になってしまいました・・・

竪破山の太刀割石がスゴかった!

筆者は前回の記事でお伝えした通り、竪破山(たつわれさん)で太刀割石(たちわりいし)を拝むことが出来ました。直径約7mという石の大きさも、鬼滅の刃の原作やアニメで見る炭治郎の等身と比較して同じくらいに感じます。太刀割石って縦ではなくて横に切れているのですが、後ろにある片割れを見ると縦に切れていたような気がしませんか?

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「太刀割石」の先に「神楽石」があるらしい・・・

そんな「太刀割石」の先に「神楽石」なるものがあるのです!案内図を見る限り、太刀割石に向かって左側にある滝の方に進めば途中にあるらしいのですが・・・この時、頭の中は「ヒノカミ神楽」のことを考えて浮かれていたため、勝手に足が神楽石方面に向いていました。

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すぐに道が険しくなっていったのですが、一応道であるがゆえに進んでいってしまうことに。

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なんか不穏な空気に・・・この時点で引き返すべきだったのですが「神楽石」にたどり着きたい一心で突き進みます。

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本当にこの道なのかな・・・と思っている矢先にこちらの道案内。若干色褪せて見にくくなっていますが「←奈々久良滝」の看板が!案内図によると「神楽石」は「奈々久良滝」の手前だったため間違いない!と思ってしまうことになるのです。そしてこれが惨劇の幕開けでした・・・

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道はどんどん険しくなりますが、時おり人の作ったモノが見えると妙に安心してしまうのです。念の為ここで注意喚起しておきます。視界が開けて軍配石が見えたら、迷わず引き返してください!山道に詳しいガイドさんでもいれば別ですが、普段山歩きをしない人は絶対に来た道を引き返してください!本当にお願いします!

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無事に生きて帰って来たので言えることなのですが、ここに人工物があるから大丈夫だろうと過信してしまいました。実は太刀割石から15分ほど歩いた軍配石付近、木で覆われておらず今回歩いた中で唯一auの電波がギリギリ入る場所でした。それも油断した原因なのかもしれません。

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完全に迷ってしまうハメに・・・

開けた道を進んでいると、いつの間にか地面では無くなっていました。枝で覆われた地面は普段の数倍体力を奪っていきます。ここで戻るべきだったのですが、既に太刀割石から1時間進んでいたため「神楽石」にたどり着くことだけを考えて戻ることを拒否したのです。数メートル歩くだけで息が切れる状態に・・・

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そして思わぬ悲劇で遭難寸前に・・・

木の枝に足を取られ、滑落・・・柔道をしていた経験上受け身が取れたため大事には至りませんでしたが、木に肩を強打して全身が痺れていました。もはや自分がどこにいるかもわからない状態で、身体が動くようになるのを待ちます。アドレナリンが出ていたせいか、その時は全く痛みを感じていなかったことだけ覚えています。

時間的によほどのことがない限り日暮れには間に合いそうですが、スマホ(au)の電波が全く入らない上に写真を撮りまくっていたので充電の減りが恐ろしく早かったのです。この時点で残量40%、万一のことを考えて電源を落としました(そのため滑落からしばらく写真がありません)

ほとんど日の当たらない山の中で身体を休めること数十分くらいでしょうか。万一野生のクマでも出てきたら確実に死ぬんだろうな・・・リラックマ好きなおっさんがリアルクマに殺されるのかな・・・神聖な山に「鬼滅の刃」聖地とか言いつつ登ったのが悪かったのかな・・・体力を回復させつつも走馬灯のように想いが駆け巡ります。

11月は生まれてからいちばんと言い切れるほど悲惨な月だったので、末日に(登山日は11月30日)このままここで1人で死ぬのかなって本気で思いました。なんてことを考えつつも「めざましテレビ」の星占いで「てんびん座が1位」だったことを思い出したら、なぜか勝手に身体が動くようになっていたのです。

長い時間をかけて暗い木の茂みから抜け出すと、ようやくブルドーザーのキャタピラと思わしき跡が・・・あれ、もしかして戻れる!?と思ったのですが、そんなに甘くはありませんでした。

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長い長い坂道を駆け上った末に見えたものは、広大な山々と青空でした。冒険活劇ならここで叫びながらカッコいいことでもするのでしょうが、筆者がしたことと言えばこの後に備えて「35%しか充電のないスマホの電源をもう一度落とす」ことでした。

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もう体力は完全に切れているし打撲で節々が悲鳴をあげているのですが、この時は痛みも疲れも感じませんでした。とにかく生きて帰るんだという気持ちだけで身体を動かしていたように感じます。ただ行き止まりを確認して別の道へ進む作業を延々と繰り返している時に、登山が好きな友人の言葉を思い出しました。

山で迷ったらとにかく登れ!下るな!

登れば道の選択肢は少なくなる!

山で遭難するとなんとか麓に行こうとしてしまい、より道に迷うということを聞いたことがあります。そうなれば道など関係ない!明るくて高いところへ!!何時間歩いたかは全く記憶にありません・・・気づいたら、軍配石の前で佇んでいました。更に軍配石から歩くことしばし・・・ついに「太刀割石」まで戻ってきました。

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生きてるんだ・・・生きて帰って来たんだ。おそらくこれを読んだ方は「大げさだなぁ」くらいに思われるかもしれません。ただ、山で遭難しかけるということは本当に命を落としてもおかしくないということだけは肝に銘じてください。山登りは万全に万全を期して!そこまでするか、というくらい安全策で歩いてくださいね。

そして、ここで安心感からアドレナリンが切れました。全身、特に肩と太ももの痛みはとんでもなくて震えながら下山することに。駐車場まで戻ると1人の男性がそこにいました、誰もいなかったらおそらく号泣していたことでしょう。

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人と話せる安心感と記事に厚みが出るという不謹慎極まりない考えから、話しかけてみることに。「日本一周」「幸運ライダーズ」という文字に心踊ります。話を聞くに普段は東京にお住まいなんだけど、日本一周幸運を分かち合うために旅をしているそうですよ。

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昨日行かれたという究極のパワースポット「御岩山(おいわさん)」のことを聞いたり、自分が遭難しかけたこと、そしてこの竪破山のことを話していたら不思議と全身の痛みが和らいでいました。ただ、やっぱり肩が死ぬほど痛かったので、せっかく撮らせていただいた「幸運ポーズ」の写真がピンぼけしてて申し訳ないです・・・

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どんなことをされているのか興味のある方は、こちらのツイッターをフォローしてみてはいかがでしょうか。なんか自分も幸運に恵まれるような気がしてきました!だって、遭難しかけて下山したらこの方がいるんだよ・・・奇跡としか言いようがないです!「せーの!幸運を~!」

とにもかくにも無事に生きて帰って来られたのですが、「竪破山」が特別危険な山というわけではないということはご理解ください。筆者の見通しの甘さと引き返せない性格が招いたことであり、どんなに安全といわれる山でも一歩間違えば危険だということをお伝えしました。常に万全の体制で、出来れば複数名で登ってくださいね。

太刀割石までの道のりも大変でしたが、まさかこんなことになろうとは知る由もなかったです・・・今こうしていても身体に激痛が走っています。おそらく筋肉痛ですが・・・とにかくいろんな方にご迷惑をおかけせずに済んだことの安堵感がハンパないです、痛いけど。

画像掲載元:SS.ナオキ