厚生労働省からの要請、自殺で亡くなった著名人の命日をメディアで放送しない理由

image:写真AC

2020年は、著名人の自殺が相次いだ年でした。大河ドラマにも出演した30歳の俳優、そして子供を産んだばかりの40歳女優など、人気絶頂の中、自殺を選択してしまったことに衝撃を受けたファンの方も多かったのではないでしょうか。著名人の命日にはメディアで大きく報道されるのかと思いきや、テレビなどでは報じられることはありませんでした。

命日にメディアで報道しなかった本当の理由とは

2020年7月18日に、30歳俳優が自宅で自殺したことが報じられました。その約2か月後、9月27日には40歳女優が自宅で自殺したことも大きく報道されたことは記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

二人とも人気絶頂の中の自殺という事で、連日大きく報道されたのです。

命日には大きく報じられるのかとも思いましたが、テレビなどでは一切報じられませんでした。

厚生労働省がメディアに対し、次のようにお達しを出していたことがその理由に当たるのではないかと考えられるのです。

メディア関係者各位

自殺で亡くなった著名人の命日に合わせた報道は、報じ方によって
「子どもや若者、自殺念慮を抱えている人の自殺を誘発する可能性」があるため、
『自殺報道ガイドライン』を踏まえた報道の徹底をお願いいたします。

引用:厚生労働省

また、7月19日と9月27日から10日間程度、自殺者数が急増していることが明らかとなっていることから、いずれも、著名人の自殺と自殺報道の影響が深く関わっているとみられることも記載されていました。

芸能人の自殺報道について

芸能人の自殺報道があると、熱心なファンは後追い自殺をしてしてしまうことは、昔から問題視されていました。

1998年、X-JAPANのhideさんが自殺した時も後追い自殺が社会問題となり、YOSHIKIさんがファンの後追い自殺を止めるための緊急会見を開いたことも大きな話題になったのです。

著名人の自殺報道は、報じ方が極めて慎重であることが必要であると、厚生労働省が警鐘を鳴らしたことで、命日に大きな報道がされなかったのではないでしょうか。

自殺報道の影響が大きくなることが懸念されていることから、自死以外の道やストレスへの対処法等について、メディアが積極的に報道することが重要視されています。