「青田刈り」と書かれたこの文字を見て、「あぁ青田刈りね、知っているよ。」と思うでしょうか、それとも「何かおかしくない?」と思うでしょうか。「知っているよ。」と思ったあなた、あなたは日本語を間違えて使っているかもしれません。「青田刈り」という言葉は正しくありません。自分では正しいと思っていた言葉の使い方が、実は間違っているかもしれないという場合が多くあるようです。
「青田」というのはまだ実っていない青々とした稲のことをいい、「青田刈り」というのはまだ実っていない青々とした稲を刈り取ることを意味しています。青田刈りの場合、もちろん米を収穫することはできません。
答えは、「青田買い」です。
何となく正しく見えてしまう「青田刈り」ですが、正しくは「青田買い」です。
「青田買い」というのは、稲が実る前に収穫量を見積もり、収穫できるであろう米を先買いすることをいいます。このことから、まだ卒業していない優秀な能力を持った学生を、人材確保のために早期内定することを「青田買い」というようになりました。
「青田刈り」では米を収穫することができないので早期内定を意味することもできません。ですから「青田買い」の誤用ということになります。しかし、誤用であるにもかかわらず、「青田刈り」も早期内定を意味する言葉として広く普及してしまったため、辞書で同義語として使われている場合もあるようです。
見かけ倒れ
「見かけ倒れ」という言葉を使いますか使ったことはありませんか。「外見は立派だけれども内容が劣っていること。つまり、中身が伴っていないこと。」という意味で使っていないでしょうか。実は、この使い方は間違っているのです。
答えは「見かけ倒し」です。
「外見は立派だけれども内容が劣っていること。」を表したいときには、「見かけ倒し」という言葉を使います。
間がもてない
「無口な人といると間がもてない。」というような言い方をすることがありますが、このような言い方は間違っています。それではどのような言い方をするとよいのでしょうか。
答えは、「間がもたない」です。
「間がもたない。」というのが本来の使い方なのですが、「間がもてない」という使い方をしている人の方が圧倒的に多いようです。
思いもつかない
「思いもつかない」という言葉を使ってしまうことはありませんか。そのとき、あなたはどのような事を伝えたくてこの言葉を使っているのでしょうか。「予想外のことである」ということを伝えたかったのではないでしょうか。もし、そうであるならば、その言葉の使い方は間違っています。では、何と言えばよいのでしょうか。
答えは、「思いもよらない」です。
「思いもよらない」という言葉の「よらない」を漢字で書くと「寄らない」となります。つまり、「思いも寄らない」となります。「思い」が「寄る」ことを否定することになるので、予想外のことであるという意味をもつことになります。
「思いもつかない」という使い方は間違いですが、「思いつかない」や「考えもつかない」「考えつかない」といった意味で使ってしまっているのではないでしょうか。
言葉の使い方や漢字の読み方というのは難しいものです。間違った使い方や読み方でも、多くの人に使われ認められることにより、正しいと認められるようになることもあります。
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