人気アニメけものフレンズが絶滅危惧種の保全を促進しているという論文が話題に

2015年原作の連載開始、2017年にアニメ放送が開始され人気に火が付いた「けものフレンズ」ですが、主題歌を担当した声優ユニット「どうぶつビスケッツ×PPP」がFNS歌謡祭で「欅坂46」とコラボするなど大きな話題を振りまきました。そんな「けものフレンズ」が絶滅危惧種の保全に一役買っているとの論文が発表され話題になっています。

数値化された「けものフレンズ」の効果

東京大学大学院助教の深野祐也さんが、けものフレンズ(動物アニメ)と絶滅危惧種保全活動の因果関係をまとめた論文を発表されました。けものフレンズによる全国の動物園への来場数増に関しては噂レベルではされていたことですが、こちらの論文によってそれ以上の効果が実証されたといってもいいでしょう。

けものフレンズとは?

「けものフレンズ」は2015年にスマホアプリと少年誌での連載から始まり、2017年初頭にアニメ放送が開始された「人間の姿をした動物たち」を描いた物語。単なる美少女アニメに見られがちですが、声に出せない動物の悲哀を描いたり、動物園やWWF(世界自然保護基金)等とのコラボもあったりと社会性の高い作品になっています。

主な効果を要約すると

アニメの放送中とアニメ放送後半年間に、モデルとなった動物への検索数と

Wikipediaの閲覧数が大幅に増加していることが分かりました。

「けものフレンズ」に登場する動物の中には非常にマイナーなものも多く存在しています。サーバルやオーロックスなどは、劇中に出てきて初めて名前を聞いたという人も多いのではないでしょうか。

アニメに登場した30種の動物への寄付は、登場していない129種への寄付に比べ、

アニメ放映後に増加していました。

上野動物園・多摩動物公園・井の頭自然公園への各動物への寄付が増加したという記録が残っています。論文では3つの動物園をサンプルとして調査されていますが、全国の動物園でも同様に増えているでしょう。また、入園者の増加による収益の増加も十分に考えられます。

動物園と動物アニメは、絶滅危惧種への関心を高め、寄付を促進する

論文では上記のように結論付けられていました。やはり「けものフレンズ」が絶滅危惧種保全運動に一役買っているのは間違いなさそうですね。

引用:https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20191122-1.html

絶滅危惧種の情報が記載されている「レッドデータブック」に記載される動物が年々増えていく中、多種多様なアプローチで人々に少しでも関心を持ってもらうことが大切なのかもしれません。また、全国で苦しい経営をされている動物園を助けるという面でも有益な論文だと感じました。

動物園といえば2045年に「恐竜動物園」が出来ると予言した人がいましたが、クローンの恐竜より絶滅した動物を復活させる「絶滅種動物園」が出来たら世界中から観光客を呼べるような気がします。

画像掲載元:SS.ナオキ