楽だけど危険で怖い、北海道で雪かきのアルバイトをやってみた

北海道の冬は、過酷だ。試されているにも程がある。マイナス二桁気温にズルッズルに滑る道。一晩で1メートル以上積もるドカ雪。おおよそ人が住んで良い環境ではないレベルなのに、筆者の住む札幌には200万人近くの人が住んでいる。となると、毎日「除雪」しなければ勿論生活は立ち行かない。頭が下がる。しかし、どのくらい大変なのかは検討もつかない。というわけで、冬の北海道にはなくてはならない除雪のアルバイトにを体験してみた。しかも、クリスマスにだ。

12トンダンプとショベルカー

筆者は大型免許と大型特殊免許を持っているので、一応どちらも運転できる事を話すと、OKという事で無事潜入成功。北海道は土地が広いので、大型ショッピングモールが結構ある。そしてその駐車場は広大だ。

こんな感じ。どうやら、駐車場の隅っこに雪を寄せるという作業は終了している模様。筆者に与えられたミッションはズバリ「雪を捨てに行くこと」だ。

写真では上手く伝わらないが、身長175センチの筆者の胸から肩当たりに運転席がある。高い。ステップが二つ付いており、運転席に乗るだけでも結構大変だ。

雪道で狭くなっている道路

夜中の作業のため、ほとんど車どおりはないが、トラックの幅と白線がほぼ同じくらいのサイズに感じる。そして路面はブラックアイスバーンだ。超滑る。もう帰りたくなってきた。

しかし、真の恐怖はそこではなかった

これに関しては残念ながら写真はない。しかし、写真など撮りようもなかったのだ。むしろ写真がないことが必死だった証拠とでも言おうか。

そう、それは雪堆積場(雪を捨てる場所)での出来事だ。その場所は切り立った崖のようになっていて、下に落ちたらまず助からないだろうというくらいの高さまで登り、そこから荷台に積んだ雪を文字通り落とすのだ。つまり、崖に向かってバックしていかなければならない!

ちなみに、トラックは後ろが全く見えない。荷台があるからバックミラーが意味をなさないのだ。今のトラックにはバックモニターなどが付いてたりするが、そのトラックでは呑気にテレビ番組が流れていた。上の恐らくバックモニターであろう部分は、うんともすんとも言わない。青画面のまんま。

想像してほしい。夜中で視界は悪いし、雪も降っていた。下はツルツル、慣れないドデカ車。ひとまず恐る恐るバックするが、誘導員さんも中々ストップと言ってくれない。ギリギリまで誘導する。荷台が崖からはみ出たあたりでようやくストップの声が聞こえる。慌ててブレーキを踏んで、荷台を上にあげるレバーを引こうとしたところで

突然、ガックン!と2,30センチほど後ろに下がった!恐怖のあまりテンパってしまいクラッチから足を離してしまったのだ。しかもバックに入れたまま。車体がちょっと斜めになった。トラックのタイヤが6つでなければ登れなかったかもしれない。

本気で死ぬかと思った瞬間だった。クリスマスだってのに。

そんなこんなで、何回か往復してバイトは終了

雪堆積場と雪かきをすべき場所を何往復化して終了。時間にして5時間くらい運転しただけで1万円もらえたので、まあ楽ではあった。しかし、あの瞬間は本当に怖かった。2回目以降は少しずつ慣れていったので、少し余裕も出たけど、崖にバックだけはずっと緊張するままだった。

潜入!アルバイトシリーズという事で、前回は治験のバイトに行ってきたが、中々どちらも特殊なお仕事で面白かった。雪道の運転は気を付けましょう。特に崖っぷちは。

画像掲載元:秒刊サンデー