不妊治療中の女性に男性が優しくしなければならないたった一つの理由

image:ぱくたそ

大きな社会問題となっている少子化問題。様々な理由が考えられるのですが、不妊治療に保険が適用されず高額な費用がかかることも大きな要因になっています。筆者夫婦も不妊治療を続けていたのですが、不妊治療では男女で精神的にも体力的にも負担が違い過ぎることを実感したので「体外受精」の流れをありのままにお伝えします。

菅官房長官「不妊治療への保険適用を実現する」

自民党総裁選に立候補している菅官房長官が「不妊治療に保険適用」を考えているということで話題になっております。不妊治療には驚くほどの費用がかかり、そのほとんどが保険適用外のため少子化に拍車がかかっているのではないでしょうか。

引用:日本経済新聞

「不妊治療」特に「体外受精」は女性にとってかなり辛い・・・

女性にとって、不妊治療というのは精神的にも体力的にも相当辛いようです。治療の度合いにもよるのだが、体外受精を選択することになった場合は子宮に太い針を刺して卵子を採ることになります。これがどのくらい痛いのか聞いたところ「睾丸」に麻酔無しで注射をするくらい痛いらしい・・・女性には「睾丸」があるわけではないので想像ではあると思いますが、そのくらい痛いようです。

「体外受精」の準備当日、男女の負担はこんなにも違う

筆者夫婦が治療に訪れていたのは西新宿にある「加藤レディスクリニック」、ここでダメなら他に行くところがないと言われている最先端の不妊治療を受けることが出来るクリニックです。病院なので共用部分の写真を撮ることは出来ません。

当日は土曜日ということもあり待合室は患者でごった返していたのですが、夫婦で受付を済ませて待つこと30分程度で妻が呼ばれました。ここから更に約90分後に妻の卵子が無事に抽出されると、次に筆者が呼び出されることになっています。ちなみにこの時点で卵子の抽出が失敗した場合は、また翌月ということになってしまいます。

待つこと50分・・・どうやらすんなり卵子の抽出ができたようで、予定よりもかなり早く呼び出されました。さて、この後はどこでどうするんだろう・・・って思う間もなく静脈認証で本人確認をされ、精液を入れるカップとリモコンを渡されて個室へと送り込まれました。

個室の中の様子はこんな感じ。画面はVODになっていて、自由に動画を見ることが出来ます。その他雑誌等も読むことが可能です。

ちなみにこうしている間にも、女性は様々な検査を受けています。先ほどのケースに精液を入れて部屋の外にある窓口に差し出せば、男性のすべきことはほぼ終わり。ここから60分後に精液の検査データを渡され、取り出した卵子の状態を元にどのような治療を進めるべきか夫婦で主治医と相談してこの日は完了となりました。

その後はクリニックで取り出した卵子と精子を着床させ、子宮に戻せるようになるまで数週間管理されます。無事に育てば子宮に戻して経過を観察することになりますし、ダメなら再度やり直しになってしまうのです。仮に数週間後に子宮に戻したとしても、無事に育つ確証は全くありません。

「不妊治療中」の女性に男性が優しく接しなければならないたった一つの理由

「体外受精」は思いのほか女性に負担がかかります。卵巣から卵子を取り出すのにはとんでもない痛みを伴いますし、慣れない病院で診察を長時間受けることになります。ましてや赤ちゃんがなかなか授からないともなると、精神的にも追い詰められていくというのです。

筆者夫婦もこの時は残念な結果に終わりましたが、あまりにも疲弊している妻の姿を見ていつも以上に優しく接しなければいけないということを強く感じました。経験したから言えることなのですが「体外受精」において男性の負担はほとんどない(男性側に無精子症などの理由がある場合は除く)ので、大変な思いを強いられる女性の気持ちになって接するように心がけて欲しいものです。

男性側からは想像もつかないほど痛みも含めて大変な思いをしている女性の不妊治療、もし不妊治療をされているカップルの男性がこの記事を見てくれていたら、ほんの少しでもいいので女性を今まで以上に労わってあげてくださいね。

不妊の原因は限りなくあり、ハッキリとした原因を見つけることは容易ではありません。万が一コロナが原因で不妊患者が増えてしまったらと思うと恐ろしい限りです。

画像掲載元:ぱくたそ、SS.ナオキ