エウリアンと呼ばれた絵画商法、今でも生き残っているのを確認してきた

今から20年ほど前「エウリアン」と呼ばれる絵画のキャッチセールスが存在していたのをご存知でしょうか。特に秋葉原の駅前が有名だったのですが、新宿や渋谷、池袋、上野といった繁華街で「被害」に遭われたという方も多かったようです。10年以上も前に行政処分が課され、ほぼ絶滅状態かと思われたエウリアン。2022年現在、それっぽい絵画を販売されている店舗があるというので行ってみることにしました。

秋葉原などのエウリアン……現在は沈黙

以前から秋葉原に行かれていた方にはおなじみであろう、街頭で絵画のキャッチセールスをしているキレイなお姉さまたち。秋葉原駅電気街口付近や上野アメ横、新宿伊勢丹界隈など様々な場所で「ラッセン」や「ヒロ・ヤマガタ」の絵画を法外な価格で売りつけるという「商法」がありました。

彼女たちは「絵売り」と「エイリアン」を合わせた造語で「エウリアン」と呼ばれ、人類(主に上京したての男性)をカモに市場価格の数倍で絵画を売りつけるというもの。筆者もかなり昔の話ではありますが、販売店の内部まで連れていかれてギリギリ逃げ出した記憶が……。

当時(2000年頃)の手口は……通路を塞ぐように立ち、ポストカードを通行人(気弱そうな人)に手渡す。無視せずに受け取ったら「絵画に興味はありませんか?」などと矢継ぎ早に話しかけ、店舗に引きずり込みテーブルのある椅子に座らせて帰らせないように「押し売り」を進めます。

その際「デートしてもいい」ようなことを匂わせたり、絶対に帰らせないような空気感を作り出した上で「毎日400円のコーヒーを1杯我慢すれば7年で完済出来る」などと意味不明な売りつけ方をしてきます。気の小さい方であれば、サインしてでもその場から立ち去りたい衝動に駆られるでしょう。筆者は突っぱねましたけど。

その後は声を掛けられても「ガン無視」を決め込みましたけど、2015年くらいまでは頻繁に目にしていましたね……。現在は秋葉原駅前ではなく、末広町駅付近に小さな拠点を構えているようです。

新宿区某所にエウリアンの拠点があった!

時間軸は現代に戻り、場所も秋葉原から新宿区某所に変えて記事をお届けします。本来なら晒してやりたいくらいの案件なのですが、ギリギリ合法(ほぼアウト)ではあるために公表は控えますしボカシ処理をしてあります。ちなみにこの時も、かなり強引なキャッチセールスをされていました……。

この後、筆者が店舗の前を通ると……「絵に興味がありませんか?」とポストカードのようなモノを渡されました。10代から20代女性が非常に多い地域なので、男性が歩いていると目立ちがちなんですよね。あっさりターゲットにされちまいましたよ。

ポストカードには「ラッセン」と「わたせせいぞう」を足したようなカラフルな絵が描いてあります。聞くと韓国の画家(名前は敢えて伏せます)で、なんとなく「うなぎの心臓」を思い出すような名前でしたね。価格は安いもので5万円から、それ以上は店舗の中に入れば教えてくれるとか……。

入るわけねーだろ!バーカ!バーカ!って内心思いながら「WEBニュースサイトの取材受けてもらえます?」とバカ正直に言ったら、ポストカードを回収されて不覚にも開放されてしまいました……せめて店内に入ってから言うべきでしたね。チクショウ、ミスったぜ!

そんなわけで強引にまとめます。

・まだエウリアンは都内に存在する
・ヒロ・ヤマガタやラッセンの絵は確認できなかった
・モデルのような女性が対応しているので、イベコンとかやればいいのに……
・気が弱い人は彼女らと目を合わせるな!声に反応するな!
・キレイなお姉さん経由で絵画が欲しい人は買えばいいと思うよ

とにかく反応しないということが大切なので、競歩でもするくらい背筋ピーンで通り過ぎるか、通りの反対を歩きましょう。

筆者の財力では高額な絵画を購入することは不可能ですが、こちらの素晴らしい絵であればちょっと頑張っちゃうかも……。