20年前に作られた激レアなガラス製パズル!意外な解答方法に気付けるか!

こちらは20年ほど前に作られた「BUBBLE IN CENTER(和名:川中島)」という名前のガラス製パズルです。製作したのは100個位ということですから、当時も現在も激レア品であることに間違いありません。このパズルの製作過程やパズルとしての遊び方、その答えの出し方を知ってしまうと、実物を見てみたいと思わずにはいられなくなるかもしれません。

このパズルを考えた人と作った人

このパズルは、佐伯邦男氏(元東洋ガラス代表取締役社長)が木下理化学工業株式会社に依頼して製作していただいたものです。製作過程での細かな作業は機械ではできなかったため、手作業で製作されました。製作個数は100個ほどで販売はしませんでした。製作したのは、木下理化学工業の当時の社長さんだそうです。

3つの膨らみの大きさの違い

上から見ると、ガラス管には3つのふくらみがあります。すべて同じ大きさに見えますが、真ん中のふくらみと他の2個のふくらみの大きさは微妙に異なっています。大きさが同じだとパズルとしては欠陥商品となってしまいます。また、ガラス管の中に入れる水の量も決められた量きっかりであることが必要でした。異なる大きさのふくらみをつくったり決められた水の量を保ったパズルをつくるために、このパズルは手作りされました。

パズルの真ん中のふくらみには、「TOKYO KINOSITA」という文字が見えます。木下理化学工業株式会のマークです。

このパズルの遊び方

ガラス管の中には水と空気が入っているので、気泡ができます。上の写真では気泡が3つのふくらみ部分に分かれてできています。「この気泡を真ん中のふくらみ部分1か所に集める。」というのが、このパズルの遊び方です。あなたならどのようにして気泡を1か所に集めますか。

ガラス管を傾けると...。

ガラス管を傾けると気泡の位置は移動します。気泡はガラス管を少し傾けただけでも素早く移動してしまいます。ガラス管を両手で持って注意深く移動しても、気泡はなかなか真ん中に集まってくれません。ところが、あることをすると、気泡は一瞬で真ん中に集まります。その方法は、あなたが知っている方法のはずですが、パズルの答えを出す方法としては結び付かないのではないでしょうか。

では、その方法をお見せしましょう。

まず、ガラス管を平らな場所にそっと置きます。ガラス管の向きはどの向きでも構いません。写真ではガラス管の中の気泡は3か所にあります。このガラス管を回転させます。ガラス管が回転する様子を、カメラの連写モードで撮影しました。何回転もしているので、向きがおかしく見えるかもしれません。

回転させてまもなく、気泡が真ん中に集まってきます。最初に両端にあった気泡はなくなっています。しかし、まだ真ん中には大小2つの気泡があります。

回転を続けていますが、気泡はまだ2つあります。

回転が止まりました。気泡は1つになりました。画像で見ると一瞬ではありませんが、実際に回転させると、この結果は一瞬で現れます。遠心力を利用するパズルです。遠心力のことは多くの人が知っている力ですが、パズルを解くときにこの力を利用するということに気付く人は少ないようです。

3つのふくらみの大きさと水の量は...

真ん中のふくらみの大きさが異なることで、ガラス管はスムーズに回転することができます。水の量が正確であることによって気泡を正確に真ん中に集めることができます。この結果を得るために手作りされたのです。もし、販売されていたら、すぐにでも手元に置きたい1品ではないでしょうか。

知恵の輪や組木などパズルにはたくさんの種類があって楽しそうですが、答えを見つけるのには苦労させられます。別の馬に2人の騎手を乗せよ!という問題の答えもなかなか思いつきませんよね。