大人でも脳汁!飛び出す絵本「ダ・ヴィンチ」発明品再現本のヤバさがエグい

この本では、レオナルド・ダ・ヴィンチの発明品が見事なポップアップで紹介されています。見開きのページに全部で6つの発明品が紹介されています。各ページには左右に折りたたまれたページの追加もあり、ポップアップになった発明品とともにダヴィンチの手稿やデッサンがページいっぱいに印刷されています。また、表紙は閉じておくことができるようにマグネットで留められるようになっています。

Flying Machines(はばたき機)

ダヴィンチは鳥類の飛翔方法や骨格、筋肉について徹底的に調べ、関節をもった翼を使うことにより、人も鳥のように自由に空を飛ぶことができるようになると考えました。試行錯誤の結果、空を飛ぶ道具として、この”Flying Machine”を考案しました。しかし、重すぎて実際には飛ぶことはできなかったそうです。

ページを開くと、この”Flying Machine”が目の前に広がります。写真からもわかるように、かなり大きくて存在感もあります。翼の下の方に人が見えていますが、これはパラシュートにぶら下がっている人間です。手に取るとパラシュートを開くことができます。

翼を動かすことができます。

ご覧のように、各パーツは糸でつなげられています。指でつまむと簡単に動かすことができます。ダ・ヴィンチは、翼をこのように動かすことにより”Flying Machine”を操縦して空を飛ぼうと考えたのでしょうか。

パドルボート(外輪船)

バドルボートは河川の交通手段として考案されました。流れに逆らうための推進力として水車羽(外輪)を使用しているそうです。水車羽自体は、箱型ギヤやペダルを使って動かすのだそうです。

このバドルボートの水車羽は、ページを開いたり閉じたりすると回転するようになっています。ページを開く角度を大きくすると、水車羽が回転する角度も大きくなります。

ページの開き方を大きくしました。

水車羽の角度が変化して回転していることがわかりますね。ページを開くと水車羽がゆっくりと大きく回転します。その動きを何度も見たくなって、ついついページの開閉を繰り返してしまいます。

建築物

ダ・ヴィンチは建築家でもあり建築物に関する多くのデッサンを残しています。下のポップアップは残されたデッサンから作成されたものと思われます。このポップアップを動かす道具として糸は使われていません。指(手)で動かします。今は、建物の中が見えていますが、手前に見える矢印部分を左の方向に移動していくと...。

矢印部分を移動し続けると

矢印部分を移動し続けると、建物の見え方が変化してきます。そして、更に移動を続けると...。

移動し続けると

最初は建物の中が見えていたのですが、矢印部分を移動し続けた結果、中の方は隠れてしまい外観が現れました。

アーマードカー(装甲車)

カメの甲羅のような装甲で敵の攻撃を跳ね返すことができるようになっていました。さらに360°すべての方向に対して大砲を配置していました。しかし動力不足のため、実際に戦場で使われることはなかったようです。実際に使われたかどうかは別として、このポップアップの精密さには感動してしまいます。内部を覗き込むことができ、その仕組みがよくわかるようになっています。

作品は全部で6つあります。どのページも、開くたびにジーッと見入ってしまいます。そして、どこがどんなふうに動くのだろうと、色々な場所に触れてしまいます。好奇心がかなり刺激されます。

この本は2011年に第2版として出版されたものです。(初版は2008年に出版されています。)現在では手に入れにくくなっているようですが、実物を見ると手に入れたくなる1冊ではないでしょうか。

出版元:Silver Dorphin Books

定価:24$95 U.S.

ポップアップ絵本は見ているだけで楽しくなります。ポップアップの仕掛け満載の書籍 を参考書代わりにして、ポップアップを作ってみるのも楽しいかもしれません