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節電にはエアコンを消すよりテレビを消したほうが効果的は本当か?実証した

節電にはエアコンを消すよりテレビを消したほうが効果的だ、と一部のネットメディアが報じておりますが、実際に本当なのかどうか確かめるべく、パワーコンディショナーをモニターする「エネステーション」と呼ばれる、室内の消費電力を計測する機械を利用して実証しました。こちらの機械は、以前太陽光を導入した際に同時に購入したものです。

※今回のテレビはプラズマテレビです。

テレビのほうがエアコンより消費電力が高いと説明するのは「株式会社野村総合研究所」の研究結果によるもので、消費電力はそれぞれ以下とされているようだ。

エアコン:130W
テレビ:220W

つまり、テレビのほうが1.6倍消費電力が高いため当然電気代もかかる。エアコンを消してテレビを見るのであれば、テレビを消してエアコンをつけたほうが節電につながるという考え方。ただ、これは理論上の話で色々な環境要素が複合することにより、結果が異なるのかもしれないし、もし本当であれば、『本当はテレビを消したほうが節電ですよ』と、マスコミも報じるはずである。

ということで、マスコミが本当の理由を報じない理由はオトナの事情という事もあるので、とりあえず置いておいて、本当に上記結果が正しいのか実証をおこなった。

―実証―

実証には、以前太陽光発電の際に導入したSANYOの『エネステーション』を利用する。
コイツは、室内の商品電力をリアルタイムで表示するという機械だ。現在は照明やパソコンおよびその他待機電力等で、0.4kw使っているという事だ。つまりここからどれだけ増えるかを計測すれば、机上の空論ではなく、生活空間でのリアルな消費電力が求まるという事だ。

―扇風機―

テレビを付ける前にまずは扇風機で計測した。すると0.4から0.5に上昇した。つまり0.1kw利用しているという事になる。0.1kwといっても、1~100Wの間であるというおおよその値でしか分からないのが難点だ。

―電子レンジ―

電子レンジを利用すると一気に跳ね上がる、1.4KWという化け物のような消費電力を示した。だがこれは常時利用するのではないので、そこまで気にすることはない。

―エアコン―

エアコンを入れてみました、すると驚いたことに、扇風機とさほどかわらない0.1kw(100W)。株式会社野村総合研究所の130Wに近い数値だ。ただし、設定温度は28℃で風量は弱。ここまで落とすと扇風機とさほど変わりはない。

では試しに、設定温度を24℃で、風量を最強というもはやキンキンの冷蔵庫状態にしてみるといかがだろうか。

跳ね上がりました、0.4kw(400W)です。さすがに24℃というパワフルな設定に消費電力が黙っているわけにもいかないようでした。この状態では扇風機の4倍以上の電力を利用していることになります。

ということで、いよいよ本題のテレビの消費電力にうつりたいと思います。
試験に使ったテレビは42インチのプラズマテレビ、地デジ対応でハイビジョン。
このスペックでの消費電力はいかなる結果をはじき出すのだろうか。

―テレビ―

0.4→0.9
つまり0.5kw(500W)の電力。株式会社野村総合研究所では220Wという結果でしたが、実際には500W近く電力を使用しているようです。ただし、株式会社野村総合研究所のモデルは平均値ということで今回試したプラズマテレビとは異なるのかもしれないが、いずれにせよプラズマテレビをつけると、エアコンの設定温度24℃で強設定時よりも消費電力が上回っていることが分かった。

結論からすると、エアコンの設定温度にもよるが、確かにテレビのほうが消費電力が多いことが判明した。

つまり、節電をするのであればテレビを切ったほうが効果的であると言えるが、エアコンとテレビは利用目的がそれぞれ異なるので、どちらを切ったほうがメリットが高いかは、それぞれご自身の判断に任せたい。

それ以外の消費電力は以下を参考にしていただきたい

・iPadを充電する(100W以下)
・携帯を充電する(100W以下)
・PCを利用する(100W以下)
・食器洗い機(100W)
・扇風機(100W)
・エアコン(100W~400W)
・プラズマテレビ(500W)

※節電は自分の体調と相談しながら行いましょう。過度な節電により熱中症などを引き起こしてしまえば、本末転倒です。