秒刊SUNDAY

まるでトラップ『カミソリマーケティング』が崇高過ぎる

男の身だしなみとして、毎朝もしくは毎晩髭剃りを行う方も老いだろう。電気シェーバーや、アナログのカミソリなどがあるが、カミソリには大きな落とし穴がる。あまり使ったことが無い人に説明すると、この手の商品は、カミソリの刃は使い捨てになっており、本体を使いまわすという形だ。本体を持っている人であればカミソリの刃だけを買えばいいのだが、大きなトラップを避けなければならない。


こちらがカミソリの刃だ。たいがい4~5個が1セットになって売られている。
本体のほうは、カミソリの刃が1個おまけで付いてくるのが通例で、値段は1200円~1500円。
本体を買っても、カミソリの刃だけを買っても、どちらも同じ値段なのは、見事な商法だとおもう。
なぜなら昔の、携帯電話0円の時代のように、イニシャルコストを安くして、ランニングコストでボロ儲けするという手口に近いからだ。

だが今回問題なのはそこではない。

実はカミソリの刃というのは、各メーカによって仕様が違う。
つまり、違うメーカのカミソリの刃を購入してしまうと本体に装着できず、1500円が水の泡になるが、大概は違うメーカーでも安定性はわるいものの、装着自体は可能だ。

今回は、どういうわけか全く合わず、悪い夢を見ているかのようだ。
しかも、ネタをやっているつもりもない。

一度袋を開けてしまうと、返品も効かないので仕方なくもう一度購入することに。
今度は形状がまるで同じものを購入することにした。刃の形状さえあっていれば装着できると確信していた。

甘かった。
信じられないかもしれないが、表面は非常によく似ているのに対し、裏はまるで違う仕様だった。

調べてみると、今回購入した刃は2回とも『ジレット』で本体は『シック』だった。
『シック』か『ジレット』かと言われるほどの競合他社であるからして。
冷静に考えれば当然だが、Windowsは、メーカが違ってもソフトはどのマシンでも動く。
カミソリも同じようなものだと、思い込んでいたのが間違いだったのかもしれない。
MACとWINDOWS並のOSの違いに気づくべきだった。

こうして合計8枚、3000円の刃が無駄になったわけですが、素晴らしい案が浮かぶ。

『シック』の本体をやめて『ジレット』の本体を購入すれば8枚の刃が手に入る。

つまり、『ジレット』の本体を買ってこれば次回はノーミスで8枚の刃が手に入るという事だ。
こうして、本体をシックからジレットに変更することとなったわけですが、私もドジだということはありますがデザインが欺瞞的すぎやしないか。
規格を統一してもらえさえすれば、このようなミスは防げるのだが。

刃の形状を他社とは合わないようにし、自分のメーカに引き込むという、カミソリのように切れ味のよい見事な『カミソリマーケティング』にやられた感じだ。

(ライター:ユカワ)