浜松と言えばうなぎ、そして『うなぎパイ』を連想する方も多いはず。うなぎパイは浜松の老舗メーカーによるオリジナルのお菓子で浜松に来た方の多くが土産として購入していく。しかしこれを逆手にとり、うなぎパイにそっくりなお菓子が次々に登場。明らかに偽物と分かればよいが、間違えて購入していくという詐欺のような問題も発生しており、いち早くこの状況は打破すべきではなかろうか。
さてまずは、上記3つの中から本物の「うなぎパイ」を見つけることが出来るだろうか。
正解はのちほど説明するが、この世にうなぎパイという商品は1つしかない。
ゲームで言えば、『プレイステーション』のようなもので、XBOX360はプレイステーションでもファミコンでもない。
ちなみに、『うなぎパイ』は商標登録されているので、同じ商品名や類似品を販売することは原則禁止。しかし、残念なことに類似品が沢山存在することが判明し、間違えて購入する人もいる。一人でも多くの人から類似品を買わないようにしてもらいたい。
そんな思いで、今回は記事をかきたい。
(注意)長いです。うなぎパイぐらい。
―なぜ間違えるのか。
さて、なぜ間違えるのか説明すると、例えばGoogleやYAHOOで『うなぎパイ』と検索すると左列にホームページ、右列にスポンサー広告が表示される。
もちろん、商品名は商標登録上『うなぎパイ』は使えないので、それ以外の名前になっているのですが
『うなぎパイ』だと信じ舞い上がっているユーザは、間違えて購入。
そもそも検索してでてくるので、疑う余地は無い。
レビューを見ると、『おいしいです。うなぎパイは大好きなので大満足です』
と、見ているほうが悲しいレビューを平気で投稿してしまうユーザも。
ボタンを押す前に、『それはうなぎパイじゃない!!』と言ってあげたいくらいです。
―実際に買ってみた
1.うなぎパイ
さて、こちらが正規品のうなぎパイ。
春華堂うなぎパイと記載され、良く見かける『う』のマークが特徴。
キヨスクでよく見かけますね。
2.土用の丑のパイ
さて、こちらは土用の丑のパイ。
パッケージは本家とはまるで違うので間違えて購入する確率は少なそうだが
うなぎパイのパッケージを知らない人は間違えて購入するだろうし、先ほどの楽天での購入者もこれを購入し、レビューをしたのだ。
つまり被害はネットで多い。だがこのパッケージについてはまだ良心的。
3.うなぎの里
これはヒドイ!パッケージがそっくりなうえ、『う』のロゴまでもパクリ。
商標登録がされているようだが、登録担当者はこの問題に気付かなかったのか。唇をかみしめる思いだ。
―原材料の違いは?
原材料に違いはあるのだろうか。
実際に見てみると、驚いたことに大きな違いはない。
パイ生地を作るためのバターや砂糖、小麦粉などに加え、うなぎ粉などは、うなぎエキスパウダーとか、うなぎエキスなど、名前を変えて混入。
しかし本家には、コレに加えガーリックが入っていることに注目。
また、消費期限については本家が一番短く、3週間程度。
うなぎの里は4カ月以上持つという。
同じパイでも日持ちがしないという事が、本家の弱みでもあり、おいしさの秘密なのかもしれない。
―商品の見た目の違いは?
さて、袋を開けて中のパッケージを開けて違いを見てみよう。
包装紙を開け、箱を開くと、うなぎパイが登場、類似品も同様にパイがでてくる。
また本家同様、類似品も1つ1つ袋詰めされているというやり方まで一緒。
驚いたことにパイの色形、大きさは殆ど一緒。
源氏パイや、ホームパイであれば明らかに違うと分かるのですがこれはヒドイ。
どれが本家のうなぎパイであるか判別付かなくなるほどだ。
店にこれが3つ並んでいたら恐らく見分けることが出来ないだろう。
だが、良く見てみると大きな違いがそれぞれあることに気づく。
お気づきだろうか、うなぎの里のパイが見事に破壊されていたのだ。
しかも1つだけでなくすべてのパイが破壊。ネット通販で買ったのがまずかったのか
ボロボロ状態で、骨を拾う様に形状を整えてもこの始末。粗悪品。
土用の丑パイは形状は保っているが、若干いびつな形をしている。
サーモグラフィをみてみると、一目瞭然。
パイの形状が奇麗に楕円を描いているのがうなぎパイ。
それ以外はかなりいびつな形状をしており、こだわりが感じられない。
―味のほうは?
ではさっそく、それぞれのパイを食べてみることにしよう。
1.土用の丑のパイ
固い。そして味気ない印象である。そしてパイ生地がボロボロとこぼれおち非常に食べづらい。
うなぎパイ本来のパンチの利いた独特の味わいが無いうなぎパイを食べているようだ。
4点。
2.うなぎの里
味のしないうなぎパイを食べているようだ。源氏パイのほうが100倍マシ。
形を維持していない時点で、お菓子としてありえない。うなぎもこんなふる里では
戻る気もしない。3点
3.うなぎパイ
文句のしようが無い本来の味。このブレの無さはマクドナルドに匹敵するほど
安心できる味わいだ。食べてもボロボロと落ちることなく容易に口へ運べる。
バターがあるのとないのではここまで違うのかと、驚愕。
10点満点でないのは、このほかに、うなぎパイVSOPってのがあるのでそれが好きだから
9点。
ということで、味そのものについては、本家に遠く及ばないので一安心だが
逆に本家を知らず、類似品を購入した消費者は『うなぎパイ普通じゃん』という印象を与えかねない。
もしかして、視聴者の中にも今までうなぎパイだと思っていたモノが実は違うんじゃないかということはないだろうか。
白恋人に対して『面白い恋人』という商品を売るのは、あえてギャグだと分かって買うユーザが多いのでまだ許されれる、だがこちらのうなぎパイは、検索してヒットしたページが偽物だという詐欺まがいの行為。
絶対に許すまじき行為だ。
―業者に問い合わせてみた
うなぎの里の販売業者のRHトラベラーズに本件に関して電話取材を試みた。
―湯川: うなぎパイと間違えることは無いのか?
―担当者: そういった問い合わせは無い。
―湯川: でも本家うなぎパイと凄く似てますよね
―担当者: そうですねーでも食べたことが無いのでわかりません。
―湯川: え?食べたこともないものを販売しているのですか?
―担当者: そうですね、うなぎの里に関してはですね、はい。
―湯川: ネットで「うなぎパイ」 と検索するとでてくるのは紛らわしいのでは?
―担当者: そうですねそういったお問い合わせはないです。
―湯川: 問い合わせは無くても間違えて買っている人が居ますよ。
―担当者: そーですねー今までそういうお問い合わせは無いので・・・・
以下永久ループ
つまるところ、現時点では本家うなぎパイと類似品を間違えて購入している人がいても、お問い合わせをする人が居ないので、販売を続行するという事だ。
悲しいことだ。
―本当に間違えないのか。
問い合わせが無いという事は、間違える人はいないという事だ。
実際に、うなぎパイと、類似品の区別が出来るのかどうか、調査してみた。
ABCの中で、Cが本家うなぎパイで、それ以外は類似品。これらを名前を伏せて試食させたところ多くの人がCを選択。意見として『味のほうは明らかに異なる』とのことだ。
悲しいことだが、裏を返せば買った品を『うなぎパイ』だと思い満足しているのであるから、それはそれで良いのかという解釈もできるが、反面うなぎパイだと信じ買ってしまった人のピュアな心を踏みにじるような行為を許してよいのか。
商標登録ではなく意匠登録がされていれば形を真似することができないが特許庁のHPを見ると登録は無い。
このままうなぎパイの亜種が出てきて、ついに本家を抜くおいしさのうなぎパイが登場する日は遠くないのかもしれない。浜松としてはかなり痛手だ。
バイキンマンの言葉を借りると、「だまされるほうが悪っ!!」ということにもなりますが。
(ライター:ユカワ)