これぞアナログの極み!ノーデジタルで絵が勝手に動く本が凄い!

この本の中には13枚の絵が印刷されています。この本は、印刷されている絵をながめるためだけのものではありません。あることをすると、中に印刷されている絵が動き出すのです。1975年にアメリカで出版されたものですが、オリジナル版は1898年に出版されています。表紙には、「Wheels Turn!」「Fire Burns!」「Fish Swim!」「Water Flows!」などという文字が印刷されています。

表紙を開くと...。

表紙を開くと中には小さなポケットがついていて、その中には1枚のアセテートシートが入っています。このアセテートシートを、各ページの絵の上にのせて上下にゆっくりと移動させます。すると、静止画だったはずの絵に動きが出てくるのです。

THE TRACTION ENGINE

この絵には「THE TRACTION ENGINE」という題がつけられています。「THE TRACTION ENGINE」とは、牽引(けんいん)機関車という意味です。牽引機関車は、道路で重い荷物を移動したり土地を耕したりするときに使われたようです。アセテートシートを移動すると、車輪が動いているように見えたり、蒸気が動いているように見えます。

THE WATER MILL

この絵には「THE WATER MILL」という題がつけられています。水車という意味です。この絵にアセテートシートをのせて移動すると、水車がまわり、たくさんの水が水車から流れ落ちてくるように見えます。

アセテートシートというのはこのようなシートです。

アセテートシートを見るとただの黒っぽいシートにしか見えません。しかし、よーく見ると、左右に走る細い線が何本もひかれています。

THE MORTAR MILL

この絵には「THE MORTAR MILL」という題がつけられています。「THE MORTAR MILL」というのは、ものをこねる機械のようです。日本語では「とろこね機」というようです。この絵の上でアセテートシートを移動すると、絵の中のベルトや歯車が動きます。

THE STEAM BOAT

この絵には、「THE STEAM BOAT」という題がつけられています。蒸気船のことです。この絵の上でアセテートシートを移動すると、蒸気や海面が動きます。

静止画を見てその動きを想像するだけではつまりませんね。3枚だけですが、実際にアセテートシートを移動させてみました。どうぞご覧ください。ただし、あまり長く見ると車酔いをしたような気分になることがあるかもしれません。ご注意ください。

どの絵に描かれているものも、1898年当時には実際に使われていたのでしょうか。しかし、100年以上も前にこのような書籍が出版されていたなんて驚きですね。

仕掛けや動きのある絵本は子供ばかりではなく大人にとっても楽しいものです。仕掛け絵本の基礎知識「Pop-Up」 という書籍にもたくさんの仕掛けが詰まっていました。